かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

インデックス指数、MSCIとは

MSCI ACWI=WI+EMI
この式の意味わかりますか。
分かる方は、相当なものです。
MSCIMorgan Stanley Capital International, Inc.(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル・インク)という米国の会社が製作した指数の名称。ACWIはAll Country World Index(全世界指数)で1995年から発表されています。
WIはWorld Indexの略称で先進国の大・中型株を対象とする指数で1969年から。
EMIはEmerging Markets Indexの略称で新興国の大・中型株を対象とする指数で1988年から。
MSCIコクサイ指数とは、先進国の大・中型株を対象とする「MSCI World指数」から日本を除いたもの。
MSCI ACWI指数とは、「MSCI World指数」と「Emerging Markets指数」を足したもの。
この指数を採用しているインデックス型投信は、次のようなものです。

商品名 信託報酬 ベンチマーク指数
eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー) 0.1144% MSCI ACWI
eMAXISSlim先進国株式 0.1023% MSCIコクサイ
eMAXISSlim全世界株式(除く日本) 0.1144% MSCI ACWI除く日本
eMAXISSlim新興国株式 0.187% EMI
ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.1023% MSCIコクサイ
ニッセイ世界株式(GDP型バスケット) 0.1144% MSCI、EMI
たわらノーロード全世界株式 0.132% MSCI ACWI
たわらノーロード先進国株式 0.10989% MSCIコクサイ

楽天とSBI雪だるまシリーズはFTSEという別の会社の指数を使っています。

f:id:otosak:20210508202326p:plain
MSCI2015年版指数パンフレット日本語版から

以下、2015年版指数パンフレット日本語版から(抜粋・要約)
図をご覧ください。
MSCI ACWIは、23の先進国及び23の新興国に上場する大・中型株を対象にしています。現在2,464銘柄を採用。株式市場の85%をカバー。
MSCI ワールド指数は、23の先進国に上場する大・中型株を対象にしています。現在1,631銘柄を採用、各国市場の約85%をカバー。
MSCI エマージング・マーケット指数は、23の新興国に上場する大・中型株を対象にしています。現在833銘柄を採用。各国市場の85%をカバー。
インデックスの作り方
まず、23の先進国市場に上場する銘柄、23の新興国市場に上場する銘柄から、ミューチュアルファンドや上場投資信託(ETF)、エクイティ・デリバティブ、リミティッド・パートナーシップ、大半の投資信託を除く上場有価証券を抽出します。一部の国の不動産投資信託 (REIT) とカナダの一部の所得信託も対象にします。複数国に上場している株式は一つの国にのみ分類します。
次に上場銘柄ひとつずつに投資適格性テストを行います。
最低時価総額基準:時価総額99%をカバーするポイント
最低浮動株修正後時価総額基準:最低時価総額基準の50%以上
最低流動性基準:先進国は12ヶ月・3ヶ月回転率20%以上、3ヶ月値付率90%以上
最低流動性基準:新興国は12ヶ月・3ヶ月回転率15%以上、3ヶ月値付率80%以上
外国人投資基準:0.15以上
最低売買期間基準:3ヶ月以上
継続メンテナンスの場合、ある銘柄の時価総額が、最低時価総額水準の-33%~+50%内であれば、回転率を抑制するために、規模別指数間の移し変えは行わない。
インデックスの再現性を保つため、それぞれの指数における投資適格性基準を設定し、適用する。これらの投資適格性基準には、最低浮動株調整後時価総額基準や最低流動性基準、外国人 投資家保有制限が含まれる。
ウェイトは、浮動株修正時価総額加重平均である。
つまり、各銘柄は、市場で取引可能な時価総額で指数に採用される。
ただし、特定の市場や産業、銘柄への自由な投資を著しく制限するような外国人投資規制が存在する場合、インデックスの投資適格性の目標が確実に達成されるよう、浮動株に同投資制限を使用することがある。
浮動株・外国人投資組入係数
外国人投資家が株式市場で投資可能な株式を、浮動株と定義。
構成銘柄の外国人投資家組入れ係数(FIF)は、浮動株が15%以上の銘柄については5%単位(四捨五入)の浮動株係数とする。例えば、 浮動株が23.2%の銘柄は、時価総額の25%がインデックスに組入れられる。 浮動株が15%を下回る銘柄については、浮動株係数は1%単位で反映される。
株価:原則、証券取引所の公式終値
為替レート:原則、ロンドン時間午後4時時点のWMロイター終値(スポット レート)

セミ・アニュアル・インデックス・レビュー(SAIR)
5月と11月の最終営業日終了時に実施される。半年に一度、株式の様々な側面を全面的に見直す。市場サイズ、セグメント区分の再評価、グローバル最低時価総額範囲等の再計算、区分の境目を踏まえた各銘柄のサイズ区分への振り分け、各投資適格性基準の適合性評価。

クォータリー・インデックス・レビュー(QIR)
2月と8月の最終営業日終了時に実施される。市場で発生した時点では指数に反映されなかった重要な変化を、次のSAIR前にタイムリーに反映させることを目的に実施する。サイズ・セグメントの移動に伴う銘柄の追加や削除、外国人投資家組み入れ係数や株式数の変更を実施する場合がある。さらに、新たな投資適格企業で重要なものの追加のみが考慮され、スタンダード・インデックスに限って追加される。
一般的には、時価総額の33%以上が減少、または、外国人投資可能比率が 15%未満になるケースにおいては、当該イベント発生と同時に指数から除外することが検討される。
SAIRもQIRも、実施の最低10営業日前には公表される。

さて、具体的にどの企業がどういうウェイトで指数に採用されているか、その全体像はわかりません。元々一私企業が、運用会社向けに販売する指数なのでしかたがありませんね。
www.msci.comのホームページで
HOME-OUR SOLUTIONS-INDEXES-MODERN INDEX STRATEGY-MSCI ACWI FLAGSHIP INDEXES MSCI ACWI のページにあるfactsheetから
https://www.msci.com/documents/10199/a71b65b5-d0ea-4b5c-a709-24b1213bc3c5
国別構成割合は、United States57.84%、Japan6.00%、China4.93%、United Kingdom3.81%、France3.04%、その他24.39%です。
また、ACWIに採用された銘柄の上位10社は次の通り。

equity Country IndexWt(%)
APPLE US 3.18
MICROSOFT CORP US 2.72
AMAZON.COM US 2.10
FACEBOOK A US 1.20
ALPHABET C US 1.08
ALPHABET A US 1.08
TAIWAN SEMICONDUCTOR MFG TW 0.81
JPMORGAN CHASE&CO US 0.76
TESLA US 0.73
TENCENT HOLDINGS LI(CN) CN 0.70
Total 15.09

※2021.5.31現在データに改訂しました。
上位10社だけなので、日本の企業で指数に入っているものは確認できませんでしたが、MSCIジャパンインデックス2021.4レポートより、こちらの指数の上位10社がわかりましたので、少なくともこれらは最低時価総額基準ほかの基準に適合していれば、入っているものと思われます。

トヨタ自動車 3.96
ソフトバンク 3.56
ソニーグループ 3.16
キーエンス 2.20
東京エレクトロン 1.66
三菱UFJフィナンシャル・グループ 1.62
任天堂 1.61
リクルート・ホールディングス 1.54
信越化学工業 1.50
武田薬品工業 1.32
Total 22.13

2020.11.11発表の定期入れ替えでは、

採用5銘柄:アズビル<6845>、イビデン<4062>、カプコン<9697>、ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)、コーエーテクモホールディングス(3635)

除外21銘柄:あおぞら銀行(8304)、昭和電工(4004)、住友重機械工業(6302)、三越伊勢丹ホールディングス(3099)、日本プライムリアルティ投資法人(8955)、日揮ホールディングス(1963)、川崎重工業(7012)、三菱マテリアル(5711)、めぶきフィナンシャルグループ(7167)、ニコン(7731)、ダイセル(4202)、Jパワー(9513)、上組(9364)、ベネッセホールディングス(9783)、パーク24(4666)、横浜ゴム(5101)、住友ゴム工業(5110)、ジェイテクト(6473)、丸一鋼管(5463)、セブン銀行(8410)、三菱自動車工業(7211)

結構はげしく入れ替わりますね。
こうやって見てみると、指数を作るのも大変そうですが、それに追従して銘柄を入れ替えたり、資金流出入によって銘柄の新規取得や売却を行うのもなかなか大変そうです。それを考えると全世界株式インデックスの運用で、信託報酬が0.1144%というのは、運用残高100億円で11,440,000円ですから、残高が十分大きいか、複数商品にまたがるマザーファンドでもないとなかなか維持が大変だということがわかります。
参考:
https://www.msci.com/documents/1296102/0/MSCI%E6%8C%87%E6%95%B0%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88+%28Japanese+language+guide%29.pdf/850bb00d-af51-4ef1-b70f-5cf32e0a10e0