かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

結果、子供にひどかった

上の子が生まれた時に、しもの世話は何の抵抗もなくできましたが、四十路まで独身だったとはほんとしょうもないもので、気遣いというか想像力が不足して、子供をつらい目にあわせてしまったことがありました。

一つは上の子がまだおむつがとれていなかった時のこと。
近所の公園ばかりだと、私が詰まらないので、少し開拓しようと思って、自転車で30分はかかる公園へ連れて行きました。そこは林があって緑が多くて、しかし冬だったので冬枯れていましたけれど、だだっぴろくていいなあ、と思っていたのですが、遊具があまりなかったので子供はそれほど喜んだわけではありません。
でも出かけて駆け回れる場所があると喜ぶ子だったので喜んで駆け回っておりました。
冬で寒くて、他に子供はおりません。というか、我々以外は、ベンチに座って新聞を読んでるおじいさん位しかいなかった。
と、駆け回っていた上の子がぴたりと止まり、ちょっと又をひらいたかと思うと、じょーっとおしっこをしました。寒かったから。
おむつをしていたからそれはいいんですが、おむつの替えとかおしりふきとか全然持ってきていない。まずい。
もっと遊んでいたいといやがる子を自転車のハンドル前座席に無理やり乗せて、全速力で走る。子供は「さむいよー、気持ち悪いよー」と泣いて暴れる。暴れるとハンドルがふらふらして危ない。「危ない!」と叱るとますます泣く。というさんざんな事態に。
子供のことに想像力が回らず、なんとなく自分と同じように考えていました。おむつや着替え、おしりふきを用意していかなくちゃならないのに。

もう一つは上の子が五歳くらい、おむつはもうとれていた頃のこと。
暑い日でした。五月の連休の次の土日だったように思います。
なぜか知覧茶にハマっていた私は、「そうだ、有楽町にあるかごしま遊楽館にいこう」と思いました。皇居のお堀端を通っていけば気分もいいだろうし、子供も知らない景色が楽しめるだろうと一人で決めていました。前後にチャイルドシートのある自転車は、重いし、3段変速なので、帰りに山の手台地を上るのが大変かもしれない、とちらっと思いましたが、なーに最短距離の急坂を押して、後は漕げばいいよね、と一人で納得して子供を後ろ座席に座らせて出発。
午前中でしたが、太陽の光がぎらぎらと舗装路面に照り返しています。坂を下ってもうすぐお堀というところで、子供が「ねえ、喉が渇いたよ」とおっしゃる。そりゃそうだよね、こんなに暑いしね。でも自分では自転車でちゃーっといって、買い物さっと済ませて、ちゃーっと帰るつもりだったので何も持っていない。水分を持っていないし、帽子ももってこなかった。
子供のおでこに手をやるとかいた汗が塩になりかかっている。大人より子供は水分が少ないのでこまめな補給が必要だ、と今ならわかります。これでは熱射病になる、と思ってあわててかごしま遊楽館近くの自販機で水を買って子供に飲ませました。その後、ビル内でトイレに連れて行った、と思います。自販機で水を買うなんて、自分のケチ方針からすると言語道断ではありますが、そんなことを言っている場合ではない。
深い教訓となったのでした。

無意識のうちに、自分を基準に考えて「まあ、大丈夫だろう」と思ってしまいがちですが、もう少し想像力を働かせて、違う人間の生理を考えるようにしないといかんのだな、と思い知った経験です。その後も、水は持って行ったけど途中で足らなくなる、オムツはもっていったけどゲロ用袋は考えていなかった、などバリエーションが生まれましたが。おそまつ。