かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

コ・メディカルをもっと

イギリスでは医師不足を解消するため、キャリアを積んだ看護師を医療分野ごとの専門看護師として試験により資格認定し、医療行為を行わせることを行っています。
https://toyokeizai.net/articles/-/473291
なかなか巧みな制度設計だし、医療現場で臨床に携わってきた人々が学び直して、より給与の高い資格を得て、ほぼ医療行為といっていい業務に従事する。
これ日本でも作るべき制度と思います。臨床の入り口では、新米の医師よりベテラン看護師の診断と上級医療機関への橋渡しははるかに的確に行えるのではないでしょうか。
これと同じく、薬剤師だって聞き取りから処方までを認める分野があってしかるべき。
医師国家資格がなければ何もできないという単線教育と職業独占では柔軟な対応なぞできませんよ。今こそコ・メディカル(医師周辺専門職)の活躍を期待する制度の拡充を望みます。介護士ももっと医療行為に進出した資格を作って、安い給与と労働者不足からの脱却を制度設計して貰えませんかね。
ところで医師っていまやブラック労働が知られていて、全然足りていないような気がするのですが統計的にはどうなのでしょうか。
https://eic.obunsha.co.jp/viewpoint/201402viewpoint/
医学部の定員に関しては上記記事がよくまとまっています。なんと1979年の琉球大医学部設置を最後に、医学部の新設は認められず、東北医科薬科大学に医学部新設が認可されたのが2015年8月。ただしこれは、東日本大震災を契機とする東北地方テコ入れの一環として発案されただけであって、今後の認可はまったく未知数です。
ただし昭和35年の18歳人口に対する医学部入学定員数が0.1だったのに比べ、2014年は0.8ですから、対18歳人口比では8倍にもなっています。医師の質の確保と医師余りを出さないために長らく抑制政策を続けてきたのが、医療の高度化や高齢者増加による需要増に対応するため2008年度から設置ではなく臨時定員増で対応してきたわけです。
一人前の医師の養成には時間がかかるため、長期見通しに基づく需給調整、という考え方はわからんでもないですが、そんな見通しって正確に持てるんですかね。国家試験は厳しいのですし、設置基準はもう少し緩めて、予期せぬ急増需要に応えられる遊びを作るとか、フルタイムで勤務しない医師がいてもいいんじゃないの、働き方の多様化を認めていざというときに投入できる人員を確保するみたいな考え方があってもいいんじゃないかと思いました。
最初は医学部の新設を40年間認めなかったから偏差値ばっかり高くなって、偏差値秀才ばかりが医学部へ、切った張ったで器用な人でも学力がなければ排除されていたのでは、と思っていたのですが、それは思い違いでした。
弁護士だって医師だって、資格を取った後、それぞれの専門で職業経験を磨いていかないと、必要な知識や技術が膨大すぎて、どんどん専門領域が増えて一人の人間が全部に対応できなくなってきています。
だったらその職業で一緒に働いているコ・メディカルやパラ・リーガルの力をもっと活用、活躍できるような土壌を作るべきではないでしょうか。18歳の時点で医師や弁護士を目指したのでなくても、職場で実績を積んできた人々に、しかるべき待遇や尊敬を与えることのできる、柔軟で働きやすく困った人にも手を差し伸べやすい社会になるべきだと思います。