かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

一般NISAの年内枠使い切り 投資信託の受渡日に注意

新規投資は来年までの一般NISAとつみたてNISA。
つみたてNISAは年間400,000円なので、ボーナス設定なしで月額最大33,333円。そうすると33,333×12=399,996円で4円余る。これは証券会社によって、また積立金の決済方法によって違うようですが、枠最大使用の臨時増額設定を出来る場合があります。
一般NISAでは、積立設定が規定値ではないので、スポット購入で年間1,200,000円の枠を使い切ることになります。ただおそらく最低額100円以上の発注が必要となるでしょうから、「99円枠が余っている」状態では使えないものと思われます。

別に枠をギリギリまで使わなくても、まったく差支えないし、つみたてNISAも一般NISAも2023年で終了し、2024年からは新しいNISAに一本化され、こちらは生涯投資上限枠と非課税が一生続く建付けになっていますから、この記事のお話のような、駆け込み注文の話はもう必要ないかと思いましたが、さにあらず。
年間投資上限360万円、個別株などを買い付ける成長投資枠はそのうち上限240万円という年間投資枠上限がありますから、12月下旬になって「枠を使い切りたい」という話が出てくる可能性がありますね。
個別株であれば発注から受け渡しまで約定日含めて3営業日目で、優待株を買いたいときなど権利取得ができる最終日が表示されるなど、注意しやすい環境が整っています。
ところが投資信託では、商品によって受渡日までの日数が違っていたり、個別株よりも発注から受渡日まで以外に日数がかかることが見過ごされがちなので、こちらにまとめてみました。

投資信託の発注から受け渡し完了までに使う日付の種類は三つ。
申込日と約定日と受渡日です。

①申込日
売買注文を出した日。締め切りは取引所の締まる15時に設定されていることが多い。15時を過ぎると翌営業日が申込日となる。ただし海外株式などに投資する投資信託の場合、土日を除いた海外市場や海外金融機関の休業日を見越してファンド休日が設定されている。売買注文を出した日がファンド休日にあたる場合は、それを飛び越した日が申込日となります。

②約定日
国内を投資対象とする投資信託では、①で決定された申込日=約定日となります。取引所の終了時刻15時現在の株価を元に基準価額が算出されて売買価格が決まります。一方海外資産に投資する投資信託では、①で決定された申込日の翌日以後になります。
東京証券取引所が15時で締まっても、日本時間16時から翌2時までロンドン、21時から翌6時までニューヨークが開いていますので、その日の最終価格が日本でのその日のうちに決まらないからです。ファンド休日だけでなく、翌日、海外市場が休場であればさらに日数は伸びます。

③受渡日
これは商品の約款によりますが、①の申込日から起算して5営業日や6営業日目、というものが多いようです。

では、eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)を例にお話ししましょう。

オール・カントリーを2022.12.23(金)の15時より後にスポット購入で発注するとこのようになります。
外資産に投資する投資信託なので、翌営業日の12/26(月)が申込日になりそうですが、12/26と12/27は、オール・カントリーのファンド休日になっているので、それを飛び越して12/28が①申込日になりました。
海外株式に投資していますので、原則その翌日が約定日になります。幸い海外関係の休日でなかったようで、無事12/29が②約定日となりました。
受渡日は、オール・カントリーの場合「申込日から起算して6営業日目」となっていますので、

申込日(1営業日) 2営業日 3営業日 休業 休業 休業 休業 4営業日 5営業日 受渡日(6営業日
12/28 12/29 12/30 12/31 1/1 1/2 1/3 1/4 1/5 1/6

となります。

試しに12月26日(月)14時50分に発注してみようとしますと、

ファンド休日のため、という注意書きが出ました。先ほどと同じ申込日になり、約定日と受渡日も同日となります。

②約定日は、売買価格を決定する、基準価額算出の日として重要ですが、NISAの枠を年内に使いたい、という時に、③受渡日が最重要となります。
日本の個別株を売買する時のように「開場時間中に発注・約定すれば、3営業日目で受け渡し」というわけにいかないからです。
そして一番大事なこと、受渡日が今年中でなければ、今年のNISA枠が使われずに来年のNISA枠が使われてしまうということです。

野村證券のQ&Aが良くまとまっているので引用します。

受渡日が今年中(年内最終営業日まで)となるお取引でご利用いただけます。
各商品ごとに異なりますので、ご注意ください。
2022年のお取引については、以下をご確認ください。
◇国内株式
 最終取引日(約定日) 2022/12/28(水)(受渡日 2022/12/30(金))
投資信託
 ファンドによって受渡日が異なります。受渡日についてはオンラインサービスの各ファンド詳細ページをご確認ください。
 ファンドによっては、海外市場が休場等によりご注文を受付けできない場合があります。
 詳細は、投資信託 お申込不可日カレンダーをご覧ください。
※注文が成立した日を約定日、お受取り日のことを受渡日(精算日)といいます。約定日が年内であっても、その受渡日が翌年となる場合、今年のNISA非課税枠の利用にはなりません。

ではもう過ぎ去ってしまいましたが、2022年中にオール・カントリーをスポット購入で2022年のNISA枠を消化する場合はどうしたらよかったでしょうか。
結論:12月23日(金)15時までに発注 が必要でした。

①申込日 ②約定日 日曜 2営業日 3営業日 4営業日 5営業日 6営業日
12/23 12/24 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30

②約定日は、日本時間では土曜日ですが、幸い、海外市場では通常の金曜日だったため、「海外資産に投資する投資信託は申込日の翌日が約定日」となり12/24に約定しました。
また12/26と12/27はファンド休日ですが、これは申込日が飛び越される日であり、12/23に①申込日が確定しているので関係ありません。取引所も平日で開場していますから営業日カウントになります。そして受渡日である6営業日目が無事年内におさまりました。

2023年だけでなく、新しいNISAになる2024年以降も、12月にかけこみで投資信託をスポット購入しようとする場合、年内枠消化できる申込日は思っているよりも早く到来してしまうということ、憶えておいてください。