かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

JR西日本の乗客閉じ込め

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論点ずらしなのか認識がおかしいのか。
「重大な輸送障害が発生するのが予想される状況では最悪の事態を想定して物事を決めるのが最も大事。こに関して我々の考えが、結果として不十分であった。」と言っているが、そうじゃない。乗客の状態を直接把握している現場の声を無視したから問題になったのです。トイレのほとんどない、まったくない車両に冬場乗客を長時間閉じ込めているんですよ。乗客と言う人間を見ていないということは明らかですね。
だから「より良い運行管理に努める」のじゃなくて、ケースワークとトラブル事例の研究を現場に時間をとってやってもらって、臨機応変に現場が判断できる力をつける、それを上層部は結果がどうなろうと受け入れてやってみる、ということが必要です。
状況が刻々と変わる、過去の例と似ているようで細部が異なると最善手がまるで違ってくることがあるのだから、現場力を鍛えて、それを受け止める胆力を持つことが大事ですよ。現場を見ていない上層部がすべての場合を想定して決断できる、というのは完全に思い上がりです。
このままだとロシア軍と同じになってしまいますよ。

もっとも有能な組織とは、各自が目的共有した上で自由に判断して行動できる集団でしょう。MI6とか、一人で兵士20人~100人に相当する、と言われるのは、ケースワークを通じて判断力を育てて即実行できる態勢を整えているからでしょう。身の危険が迫っている時に周囲の地理や天候と言った条件を味方につけて柔軟に動く。上司に無線でお伺いをたてている場合じゃない。
鉄道は、軍隊ほど極端な条件ではないでしょうが、いちいちお伺いを立てて、それを鳩首会議しているようでは、却って乗客の健康と言う安全が保持できなくなってしまったわけでしょう。

三十代の勤め人の頃、内容は忘れたのですが、作業に抜けが発生してトラブルになった案件があって、その時に管理職の一人が「管理簿をつけさせろ」とか言い出した。その時はっきりと「あーこいつ、使えないわ。だめだこりゃ」と思いましたね。
余計な内部チェックを一つ増やせば、それを忘れる場合が新たに生じるし、形式的にチェックすることになって実質内容が抜けてふたたび事故が起こる可能性がある。大事なのはなぜ作業が抜けたのか原因を見て、余計な内部管理作業を増やすことではなく、どうすれば作業の抜けが起こらなくなるのか、属人的な能力に頼らないしくみを構築することですよ。