かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

自己承認欲求と言う怪物を飼いならす

先日来ずっと、あの「スシローの醤油さし舐めた君動画」について考えています。なんであんな馬鹿なことをするのかなと。
仲間内に動画を回して「どうだ、凄いだろう」「面白いでしょ」「勇気あるよねオレって」という自己顕示欲、自分という存在を、良くも悪くもひとかどの人物として認めてもらいたい、強く印象つけたいという自己承認欲求から来るものでしょう。
自己承認欲求をなくすことはできません。
私だって、歌を練習して、出演オーディションや、演奏機会に「わーすごいね」って思ってもらいたいし、そういう欲があるからこそ練習するわけで。
子供達だって、テストでいい点とればめっちゃ嬉しそうにアピールしてくる。
マズロー欲求段階説を持ち出すまでもなく、食欲が満たされなくても自己承認欲求はあるのが人間と言う社会的存在なのだと思う。
じゃあどうすれば、あのような割に合わないことをしなくて済むようになるのか。
ポイントは2つ。
一つは、仲間内に認めてもらいたいこと。
もう一つは、認めて貰うためにやること。
仲間内だけで回して評価を楽しむためにやったものが流出したから大炎上した。仲間内だけで回してたって誰かが面白がって転送したら広い世間に拡散される。だとすれば、仲間内に認められたい行動を変えさせる。
ちょっと脱線しますが、トップを争う集団にいる人たちは、のほほんと努力をしないでいる集団にいる人たちより不幸なんだそうです。
自分が仲間やライバルだと思っている人たちが出世したり昇給したりすると、何で私はそうじゃないの、という焦りと嫉妬で苦しむ。
一方のんびり過ごしている人たちは、生活のやりくりが多少苦しくても職場がブラック気味でも仲間も同じでそんながつがつしていないから給料が上がったり生活水準が良くなったりしないので、自分も同じで不幸だと思わない。
醤油さしペロリスト君の動画を回されてきた仲間たちはどう思ったか。「何バカなことして」と絶対思っているけど、面白がって「すごーい、もっと過激なヤツ希望」とか反応したと思われる。薄々あとで大炎上するかも、と思っても言わないでしょう。
大体こういう「バカをやるヤツ」は中高生時代には昔からいた。非常に少数だけど。ネットがないから情報は非常に限定された範囲にしか流れなかったし、回転すし少なかったし、店員はうろうろしていたし、子供だけで入ることもなかったし、全国チェーンで悪さして全国に影響がでるってこともなかったので、個別に謝って終わっていた。
親がネット社会に対応できていないだけじゃなく、子供も想像力が乏しいから、後でどうなるかわかっていない。その割に制度のスキをついていたずらするだけの知恵は発揮するからね。
定期的に学校で教えることが大事と、先日書きましたが、親もネット慣れしていないがためにエライことになるという想像がしきれていない。
そこは社会教育ですね。
後は凄いと思ってもらう行動を、こういう悪い方向でしか発散できないという状態を、夢中になれることを見つける機会をつくって、誰もが「凄いね」と褒めてくれる内容に変えていく環境作りをしていくことでしょう。勉強やオタク的知識でももちろんいいんです。
誰でも飼っている自己承認欲求と言う怪物を、正義感振りかざす「コロナ警察」や「ペロリスト」にしないように、自分の存在を自分で認められるように、合法で迷惑でなく一人でもある程度できるような、夢中になれることを見つけることは、「小人閑居して不全をなす」ことにならないように、必須なのでしょうね。