かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

デス・ゾーン

しかしエベレストをはじめとする8,000メートル級の高地ってほんと、デス・ゾーンなんですね。
山頂付近はジェット気流の中に顔を出しているに等しく、モンスーンが出現して寒帯ジェット気流が北にそれ、なおかつモンスーンが南から吹き付けてくる前の五月下旬頃風が弱まる。9月か10月のモンスーン後にも同様の現象が出現するがその頃は寒すぎる。
風速毎秒7メートル以下なら理想的、12メートル以下なら可能、12メートル以上になると風速冷却によって凍傷と低体温症の危険が怖ろしいほどまで高まる。
精度の上がって来た天気予報を元に、風が弱まる日が何日か続くことに賭け、エベレストに登山者が集中する。前進ベースキャンプから山頂まで3、4日、下降威1,2日かかるので途中でジェット気流に巻き込まれたら致命的ということ。
2019年には頂上から下山する登山者が、急な梯子で降りるセカンドステップで渋滞した。怖がって梯子を下りることができない登山者のため1時間から2時間以上も待たされるうちに強風が吹きつけはじめ、気温は氷点下30度に。
1980年代から2020年代まで、30代以下の登山者の数は一定だが、50代と60代の登山者がうなぎ上りに増えた。みなお金を持っているから。入山料、ヤクを雇って荷揚げ、ガイドシェルパの雇用、高地順化の日数と登頂から下山への日数も必要で、安くても7万ドル。他に現地入りの費用。
おまけに高所にいると食事をとるのに吐き気がするし、脳浮腫や血栓になる危険も高まる。前進基地に帰ってきてから突然死亡してしまうこともあるとか。
北東ルートの頂上から少しおりた地点はrainbow valley=虹の谷と呼ばれています。何らかの理由で死亡した登山者が強風で転落して色とりどりのウェアと登山器具とともに打ち捨てられている場所。
身体の訓練だけでなく、途中で瀕死の人がいた場合に自分はどうするのか、精神的なシミュレーションをしてからでないととても挑める場所ではありません。
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