かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

会費タダの合唱団に高学歴≒高収入層が多い矛盾

現在所属している合唱団のうち一つは、プロオーケストラ専属のアマチュア合唱団なのですが、私の知る限り、団員に高学歴の方が多いのです。
お客さんがチケットを買ってくれて成立する演奏会、プロオケの演奏会に出演します。合唱団単独の出演、他オーケストラで歌うこともある。
ギャラを貰うことはできませんが、そのかわり、練習会場費などはすべてタダ、チケットの割当ノルマなどもありません。練習会場までいく交通費、楽譜代(団で購入とりまとめをするので各自で買うより少し安くなる)、衣装代ぐらいしかかからない。
衣装も女声は白ブラウスに黒のロングスカート、男声はシングル又はダブルの黒スーツに蝶ネクタイ、形式自由なので、他の合唱団の出演で着たり結婚式で使う略礼服でもいいので、合唱団に参加しよう、という人ならたいがい既に持っている。衣装代として格別の出費がかかるわけではない。

マチュア合唱活動としては、一番お金がかからないタイプの合唱団。
なのに練習会場で周りを見回してみると、妙に高学歴、したがって高収入と思われる人々に沢山ぶちあたる。下賤な話ですが具体例を挙げますと、慶応大、東京工業大、早稲田大、筑波大、北海道大、名古屋大、東京医科歯科大、関西学院大など。しかも一人二人じゃない人数レベルで存在。

まあ団員数全体に占めるサンプル数としては少ないから、偏見なのかもしれませんが、ずっと「お金のかからない合唱団なのに、一番お金もってそうな人ばっかり集ってるって、なんかなー」みたいなモヤモヤした気持ちはありました。

もちろん、上記大学は活発に活動している大学合唱団が存在していますからそこからの人材供給というのはあるでしょう。でも別の合唱団を現在過去いくつも知っていますが、おかあさんコーラス出身とか中堅私大や看護学校各種学校出、もっとバラエティに富んでいます。

でもね、はたと気づいたのです。これ合唱団の属性からするとあり得るフィルターがかかっている。それが今日のお話です。

まず、入団の条件として入団オーディションに受からないといけない。まあこれは第九の特定の範囲が指定される場合が多いので、ヴォイストレーニングを積んで中学高校大学一般と合唱活動履歴を踏んできた人にとって決して高いハードルではありません。ましてや学歴は全く関係ありません。

ところが、次が問題です。練習を重ねていくと、出演オーディションというのがあります。これに合格しないと演奏会に乗れない。これも出演可能人数が少ないごく一部の演奏会を除いて倍率が2倍になることはないので、真面目に研鑽して練習を積めば、入団オーディションに受かる人たちならそんなに困難なことではない。
出演日に都合がつかなければ出演オーディション自体を受けないという人もいるし、今回の演目はなんだかなーで受けない人もいる。

でもって、これもまた学歴とはまったく関係ない。ように思えるのですが、

出演オーディションは暗譜、実際の出演も全部暗譜。

これが団員の高学歴フィルターを招いているということに気が付いたのです。

出演オーディションはあらかじめ範囲を指定してくれる指導者もいますが、大体やばい箇所全部をさらっておかないと対応できないような出題が多いです。必然的に全部さらうことになります。
ましてや本番は楽譜を持つことはなく、出演オーディション後の練習は全曲暗譜で歌うことを奨励されている。
オーケストラ付きの合唱曲が多いので、大体物凄く長い。
それを暗譜するには、ということでもうおわかりですね。

受験勉強得意な層が残りやすいわけです。なるほど。
加えて歌詞は日本語訳詞を使うことはなく、原詞なので、どうしても様々な言語で歌唱しなければならない。勿論資料を配布して発音指導をしてくれるので、私なんかいつもなんちゃって発音を無理やり叩き込んで臨むのですが、外国語の発音を新規に学ぶ場面も多々ある。これも高学歴フィルターを助長していると思います。

ちなみにここ5年程の使用言語を挙げますと、ドイツ語、ラテン語*1、英語、フランス語、ポーランド語、ロシア語、ヘブライ語ジョージア語、チェコ語、といったところ。

結論。
入団オーディション、出演オーディションと関所がありますがそれは受験勉強が得意な人が通りやすいわけでもないのに、高学歴の人の歩留まりが大きいのはなんで、と考えたら受験技術を習得した人が外国語対応や暗譜に抵抗がない、そこに一見学歴フィルターに見える別のフィルターがあったのだ、ということに気づきました。

今日はモヤモヤの原因をやっと考え付いて、すっきりしました。

*1:この2つはイタリア語を含めて歌唱では必須なので発音できればよいのならハードルになっていない