かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

出演オーディションへ行ってきました

私の所属している合唱団のうち一つは、プロのオーケストラに専属している合唱団なのですが、本番の舞台に乗るために出演オーディションに合格しないといけません。
半年から8か月先程度まで本番の日程と練習の日程があらかじめ発表されています。場合によっては複数の本番の練習が並行して進む場合もあります。
一つの舞台を取っておよそのスケジュールをご紹介しますと、まず団員誰でも参加できる練習で始まります。その後実施日の一月前にオーディションの告示が出ます。オーディションは平日の夜三日間の場合が多く、初日の一回目、18:30集合の枠は役員枠といって、パートリーダーやパートのマネージャーさんたち、つまりオーディションの運営をしてくれる方々専用枠になっています。その後19時台、20時台と枠が設けられる。二日目、三日目は一般団員の枠だけ。

告示日には、練習会場に紙が置かれ、先着順で希望枠に自筆で名前を書き入れることができます。パートはソプラノ、アルト、テノール、ベースと所属パートごとに分けられていて、枠ごとに試験を受ける順番の番号が振られています。ただし女声は団員数が多く、男声は少ないため、枠毎に書き込みできる人数はパートによってばらばら。

例えば今回私が受験した枠は、ソプラノ9人まで、アルト10人まで、テノール6人まで、ベース7人までとなっていました。
枠が全部埋まることもあるし、埋まらないこともあります。例えば1番目、3番目、5番目にしか名前がなければ、前に詰められて1~3番目となります。

会場見取り図

さて定刻になると、進行係が諸注意を申し上げ、進行係又は指揮者が試験範囲を発表します。今回は合唱指導者から試験範囲が早々に発表されていたのでそこの緊張はありませんでしたが、指導者によっては、「ここからここまででピアノで最初の和音を鳴らして降り始めで入ってください」「次はここからここまでで…」と場所と入り方、終わり方を何か所か指定し、「どこを出すかは当日、時間枠によって変えます」という方もいらっしゃるし、「範囲?全部です」という人もいます。

そうなると試験範囲の発表は異様な緊張に包まれることになります。

その後すぐに、全員で試験範囲を一回だけ合唱します。

そして着席して、各パート1番目から名前を呼ばれますので、何ももたずに白線のところへ立ちます。ピアノが鳴り、又は指揮者が振り始めて試験開始。
試験範囲が終わると、4人の受験生は着席。しばらく指導者が点数つけをする時間。指導者が顔を上げて進行係に頷くと2番目の組の人の名前が呼ばれて白線に。以下同様。
途中で受験生がいなくなったパートには、パートリーダーや役員が交代で譜持ちでエキストラとして入ります。
最後の受験生が終わって、指導者の採点が終わると、その枠は終了。大体45分程度かかるので、次の枠のスタートまで15分もない。受験生は退出し、役員たちは次の枠の準備にかかります。

そんなやり方で三日間終了後、多分何らかの話し合い、取るべき人数の微調整とかだと思いますが、そんなのがあってからwebに発表されます。

以前は、不合格者のみ郵送で通知が来ていた時代がありました。オーディションが金曜日か土曜日に終了するので、日曜日に大勢が決して月曜日に不合格通知の発送が行われ、早いとこでは火曜日の午後にポストに到着する。
だからオーディション明けの火曜日、家に帰って来てポストをそーっとあけて、水色の楽団からの封筒がなければ、ほーっとため息をつくという。ただ郵便が遅れて水曜日に着くかもしれない。ゆえに週の前半は帰宅してポストを覗くのがいやでいやでしょうがなかったです。
今はネットでいきなり合格者名簿がどん、と出てしまいますので、いやはいやだけどまあ一瞬です。

さて出演オーディションについて縷々述べてまいりましたが、いかがお感じでしょうか。
随分きつい趣味の世界にいるなあ、と思う方もいるかもしれません。
年齢的にいつまで持ちこたえられるかわかりませんし。
脳が病変で萎縮してこない限り、暗譜の努力はみのる、と信じて突き進むつもりです。暗譜が出来なくなるのは、記憶力が悪くなるのではなく、繰り返し曲をさらう根気がなくなってくるせいだろうと思っています。自分としては楽譜ガン見で45回歌うと体に入る。40回すぎくらいから、譜面をみないでスムースに脳内再生が出来ているかどうか確認を何回もして、また楽譜を見ます。その辺は個人差があるだろうけど。

リタイア人生にとって、勝手に山場がやってきて、それに向けて汗をかく、それは退屈を逃れる最高の過ごし方ではないかとも思います。何年やっても慣れませんけど。

ついでにいうと、オーディションのある本番を5回連続で欠席、つまりオーディションに落ちるか、本番インフルエンザなどのやむを得ない事情で乗れなくなった(診断書の提出が必要)ということでもないかぎりバツ1カウントされ、それが5回連続すると自動的に退団となります。

そんなわけでいくら準備しても、オーディション当日はごはんもあまり喉を通らず、憂うつな気持ちで会場に向かうのは変わりません。