かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

リバランスでリスク資産の買い付け額が最大化するポートフォリオとは

愚者小路さんのブログに興味深い記事があがっています。
gusha00fool.com
詳しくは記事をご覧ください。
ポイントは
「リバランス買付量が最大化するのは比率が半々の時」
です。

安全資産50%:リスク資産50%のポートフォリオ


①安全資産とリスク資産を50:50で保有していた
②市場の暴落によりリスク資産の価値が50→25へ半減。
安全資産:リスク資産の割合が66%:33%に傾く。
③総資産は75。50%:50%にリバランスし、リスク資産は75×50%=37.5に。
37.5-25=12.5を新たにリスク資産として買付した。

安全資産10%:リスク資産90%のポートフォリオ


今度はリスク資産が総資産の90%を占めている攻めたポートフォリオの場合です。
①安全資産とリスク資産を10:90で保有していた
②市場の暴落によりリスク資産の価値が90→45へ半減。
安全資産:リスク資産の割合が18%:81%に傾く。
③総資産は55。10%:90%にリバランスし、リスク資産は55×90%=49.5に。
49.5-45=4.5を新たにリスク資産として買付した。
暴落の円グラフを見ると変な感じです。
直前の〇が100なのに対して、暴落の〇は55に縮んでいます。
しかし円グラフは、あくまでその時々の総資産に占める安全資産/リスク資産の「割合」を表示しているだけです。総額の変化を示していません。
だから直前とリバランス後を見ると、安全資産の扇形は同じ形、同じ面積になっています。

安全資産90%:リスク資産10%のポートフォリオ

翻って、今度は逆に安全資産が90%を占める保守的なポートフォリオです。

色が全然違いますね。
①安全資産とリスク資産を90:10で保有していた
②市場の暴落によりリスク資産の価値が10→5へ半減。
安全資産:リスク資産の割合が94%:6%に傾く。
③総資産は95。90%:10%にリバランスし、リスク資産は95×10%=9.5に。
9.5-5=4.5を新たにリスク資産として買付した。

なぜそうなるのか

安全資産とリスク資産の割合が50%:50%の時に、リバランス時のリスク資産必要買い付け額が最大化します。
安全資産とリスク資産の割合が半々から遠ざかれば遠ざかるほど、リバランス時のリスク資産必要買い付け額は少なくなります。

2つほど極端な例を付け加えましたが、そちらから考えてみますと、

①リスク資産の占める割合が大きい場合

総資産額の目減りが大きい。先ほどの例ですと100→55に減っています。
リバランスの計算上、
リスク資産/総資産=総資産に占めるリスク資産の割合
が目標値なので、分母が激減して、リスク資産の割合を戻すための差額自体が小さくなる。

②安全資産の占める割合が大きい場合

リスク資産が半減しても、総資産額の目減りは軽微。先ほどの例では、100→95です。
同様にリバランスの計算上、
リスク資産/総資産=総資産に占めるリスク資産の割合
が目標値だとして、分母がほとんど動かない上に、元々のリスク資産の占めていた割合が小さいため、リスク資産の割合を戻すための差額自体が小さくなる。総資産の割合を元に考えると「微調整」レベルだということです。

注意!このことは最適なポートフォリオとは無関係

安全資産とリスク資産を自身の総資産額のどの割合で持つか、ということを考える際2つの要素を勘案します。
①そもそもの総資産額の大きさ
②その中で価格変動を覚悟できるリスク資産額の大きさ
総資産が大きいから、安全資産を緊急資金としてとっておいて残りは全部リスク資産だ。半額になっても耐えられる。
という人もいれば、
総資産額がこれだけ大きいと、リスク資産の絶対額も大きくて市場が暴落したら凄い額の評価損になるのは耐えられない。だからリスク資産は少なめにしよう。
また逆に、
総資産額はまだまだ小さいから、積極的にリスクを取っていこう。
という人もいれば、
総資産額がまだまだ小さい。緊急用に安全資産を確保しておきたいから、リスク資産は少な目に。
という具合に、本当に人それぞれです。
さらに年齢や職業による収入の具合だって影響してきます。
収入が多いからリスクを多く取りたい人ばっかりじゃないし、
収入が少ないからといって安全資産大目って考えている人ばっかりじゃない。
逆もしかり。

今回気を付けてもらいたいこと

だから
「50%:50%のポートフォリオが暴落時の買い付け額が最大化できるのか、暴落時にたっぷり買っておけば値が上がった時の利益も大きいよね。よーし50%:50%が最適だ」
というふうに考えないでいただければと思います。
繰り返しになりますが、自分はどの程度リスクをとっても大丈夫か(=市場に留まっていられるか/投資を継続できるか)のお気持ちは、
収入、年齢、総資産額、暴落の経験値、健康、家族の状況、家計の必要支出額変化、
などいろいろな要素で決まってくるし、時間の経過や状況の変化によって変わることだってあるでしょう。

ここでは、安全資産のうちに生活防衛資金が含まれているかのようなお話をいたしましたが、これを別置きにして安全資産とリスク資産の割合を考えるのであれば、また違った割合が自分にとって最適な割合となることでしょう。

リスク資産の割合や額を考える際、中心となるのは株式の騰落率や期待値を元に考えることになります。過去データを参考に測定する株式のボラティリティは、何時頃の時期を見るのか、期間をどうとるのかで変わってしまいますし、将来どうなるかさっぱりわかりませんから、具体的な数値を上げるのは避けますが、株式市況の上下の荒波にもまれながら自分なりに心地よくいられる割合を探していただければと思います。

私?私は、緊急用及び生活用資金を含めた安全資産の、総資産に占める割合を42%~45%とするのが当面の方針です。