かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

リバランスしない長期投資はない

過去最高の含み益です。ひゃっはーになるかと思えば、さにあらず。怖いです。こんな状態が続くわけはない。含み益は数字だけ。株式市場が下落すればなくなってしまう。未実現利益。
含み益が大きくなったせいで、投資方針としていた安全資産割合42~45%を大きく下回った。リスク資産が大きすぎる。
そう思っていたので、7月下旬から8月上旬にかけてリバランスしました。特に比率が上がっていた日本株を売却し、安全資産である預貯金を増やしました。

安全資産の範囲

現金預貯金のうちどこまでを安全資産の範囲とするか。投資用に準備した余剰資金だけという考え方もありますが、私はそこに生活防衛資金、財布の中の現金、公共料金振替をする通帳の普通預金など手持ちの預貯金と現金をすべてひっくるめて安全資産の額としています。
リスク資産に対置する安全資産の範囲をどこまでとするか、こうすべきという決まりも理論もありません。
生活費の3か月分~2年分などとする生活防衛資金を除いてもよいし、公共料金引き落とし用の通帳と財布の現金を除いてもよし。
私の場合は、給料がもう入ってこない退職しちゃった人間だし、全金融資産を時々残高で把握したいからそうしているだけなので。

安全資産の割合

私の投資方針では安全資産の割合は42~45%を適正としています。これも決まりはなく、各人のリスク許容度に応じて好きな割合を決めるとよいでしょう。

自分のリスク許容度をどうやって計るか

といっても「自分がどれくらいのリスクに耐えられるか」は暴落に見舞われて「こんなに含み損だーうぐぐぐ」でも続けられるか。いや心臓に悪いからもう少し縮小しよう。なんて体験してみないとなかなか掴めません。
定期的に勤労収入が入ってきているのなら、余剰資金はすべてリスク資産に振り当てて育つのを待つという考え方もある。
割り切って安全資産とリスク資産を50:50とするのもいいですよ。
給与から生活費を除いた余剰資金を半分にして、半分を積立投資、半分を預貯金に積む、なんてところから始めてみてもよいです。
そのやり方で毎月千円~数万円積み立てていくと、しょっちゅう証券会社のマイページを見てしまうでしょうから、そこで残高と含み損益のプラスマイナスが目に飛び込んでくる。それに耐えられるかどうかで自分を試すのもよいと思います。
耐えきれなくなったら、そこで投資への資金投入は一旦お休み。あとは預貯金を積み上げる。それが自分なりの安全資産とリスク資産の比率だった、というやり方もあるでしょう。

決めた比率を安易にいじらない

一旦決まった比率を含み損益の状況を見てちょろちょろ変更するのはいただけません。
長期投資においては、安全:リスク資産の比率を堅持することこそが、継続するための必要条件だと言えるからです。
状況が良いからと言って、リスク比率を安易に増やすと、突然来た下落暴落で余裕資金がまったくなくてリスク資産を買い増ししようと思ってもできない、必要な生活防衛資金が侵食されていて、はては生活費の確保のために泣く泣く下がったリスク資産を手放すはめになるかもしれません。
状況が悪いからと言って、リスク比率を安易に下げていくと、リスク資産の残高が増えずに、株価上昇局面で予定していたリスク資産残高を持っていなくて、思っていたよりはるかに増加が少なく資産形成が全然進まなかった、なんてことになるかもしれません。
状況の良いとき悪いときに同一行動の裏表をとるためにリスク比率を一定にしているので、状況が良いからいっぱい売る、状況が悪いからいっぱい買うという場当たり行動をとると判断の時点が異なるのでどちらかに偏った行動になりがちで投資効果が不安定になります。たまたますごくラッキーな結果もありえますが、極めて不満な結果を招くこともあり得ますね。
しかも株価はどちらにどの程度移動していくのか行かないのか、まったく予想がつかない。そもそも着地点とか終着点がないので、今状況が良いと思ったけど、次はもっと良くなるかもしれないし、変わらないかもしれないし、悪くなるかもしれない。
長期投資を迷子にしないで続けるための「一定のリスク比率」設定だということを肝に命じましょう。

リバランスした副次効果

そしてリバランスすると面白い副次効果も見られます。
今一口5万円で8口リスク資産を買えたとしましょう。40万円の投資です。安全資産も50%の40万円保有しているとします。
リスク資産が値上がりして48万円になりました。50%比率にリバランスするため4万円分売却します。税金はないものと仮定します。時価48万円ですから一口当たり6万円です。4万円売却したということは2/3口を売ったことになります。残りは7口と1/3口です。
これでリスク資産44万円、安全資産44万円でリバランス完了。
暫くしたらリスク資産が33万円に下落しました。リスク資産を5万5千円買い増しします。この時のリスク資産は7口と1/3口で33万円。一口当たり4万5千円です。それを5万5千円分買い増しすると11/9口増えます。
7口と1/3口に11/9口を加え、77/9口。8口と5/9口になりました。
リバランスせずにずっと持っていたら8口。リバランスしたら金額は同じ額に戻ったけど8口と5/9口。口数が増えています。一口当たりの単価が下がりました。
リスク資産が目減り、つまり株式相場全体が下落した時は、リバランスのためにリスク資産を買う。
リスク資産が増大、つまり株式相場全体が高騰してきた時は、自分で決めたリスク・安全比率になるまでリスク資産を売却する。
という調節をすることで、
含み益を一部確定し
含み損があるときは買い増しをして取得単価を下げる
という副次効果が生まれました。
これはタイミングを見計らって「安く買って高く売って」いることとは違います。
自分の金融資産全体を眺めて、リスク資産割合を調節した結果、そのような効果が生まれた、というだけのことです。

どのリスク資産を売却するか

リバランスにあたって、インデックス投信だけ保有していたら大きく迷うことはありません。
対象資産の範囲が好きでなくなったもの、信託報酬が高めのものから売却すればよいでしょう。
しかし個別株を持っているとどうしても色々な事情を考えて売る銘柄買う銘柄を選んでしまいますね。
含み損があるやつを売って、特定口座の配当所得と損益通算しよう、だとか、
NISA口座にある含み益があるやつを売って、譲渡益は非課税にしよう、とか、色々考えちゃいます。
私が特定口座を複数の証券会社の開いているのも、税金対策の調節として便利と言えば便利ですが、考えるのが面倒でもあります。
A証券会社の特定口座にある、含み益があるやつを売って、確定申告に含めず源泉で終わりにしよう、とか。
余談ですが、複数の証券会社に特定口座を開くときは、必ず源泉徴収有を選んでおくことです。
譲渡益が大きいときに、確定申告の累進税率から切り離しが出来るという選択肢が選べるからです。勿論確定申告に含めることもできます。
管理がややこしくなるから、特段お薦めするわけではありませんが。

売るのがもったいないと思ったとき

含み益が出たからもったいない、まだ上がるかもしれないじゃない、と思うかもしれません。
そういう時は逆の場合を考えてみるとよいです。
含み損がでたからえらいこっちゃ、まだ下がるかもしれないから売っちゃおう。ってならないでしょう。長期投資と決めたから途中で下がってもまた上がるかもしれない、今が仕込み時だよ、と思って単価の下がったリスク資産を買い増しする、と決めていたとしたら、
今は含み益が出ているけど、また下がるかもしれないから、今が手放し時だよ、リバランスだよ、と含み損と対称になる行動をとりましょう。
そしてリスク比率を自分にとって居心地の良い状態に保って、長く投資を続けてまいりましょう。