かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

ジム・ロジャーズ「捨てられる日本」SB新書

円安なのに、国債残高が大きすぎて政策誘導金利が上げられない、海外投資家は円売りして見捨てつつある。でも日本人個人としてはまだまだやれることはある、という警世の書ですね。タイトルも内容も、ちょっと煽ってるなーと感じますが、とても読みやすい本だし、ところどころ私個人的に刺さる文言がちりばめられております。
刺さった所を引用しておきますので、興味があるかたはお手に取ってみてくださいね。なお、引用個所は、本論主題とは無関係に抜き出したものであることをあらかじめお断りしておきます。

・国民の資産を国の負債返却にあてるのは正気の沙汰ではない。しかし、現にそれが行われている。国民の資産を税金として集め、国の債務返済にあてているのだ。こうした状況下で「緊急事態であり、国を守るためだ」と言い訳するのが政府の常套手段だ。
・歴史上、通貨の切り下げによって経済が成長した国は存在しない
・「高品質・低価格」に加えて「革新性」も武器にしなければ、世界で勝つのは難しい。
・雇用を奪うのはイノベーションではなく、競争力の低下である。
・政府というものはえてして、国民に対して「国のために犠牲を払え」と言いつつも、彼ら自身は身を切ることをしないものだ。
・一時代を築き、覇権を握っていた国は、いつか必ず衰退の道へ至るものだ。これは人類史上の必然である。例外は存在しない。
・自国が世界のトップに立つと、自然と国民は傲慢になってしまうものだ。
・従来のやり方で大きな成功を収めた経験があると、そのやり方を大きく変えるのに勇気がいる。
・政治家は、自国がうまくいっていない時には必ず他国を責めるものだ。
・どれほど立派なスローガンを掲げても、いかに実行していくかという計画が示され、実現されなければ全く意味がない。
・「オリンピック開催国の経済が潤う」というのはよくいわれる話だが、その通りになった事例は過去に一つたりとも存在しない。
たいていの場合、このようなことをいうのは、政治家・観光業・接客業などのように、国民と観光客にお金を落としてもらいたい人たちだ。
オリンピックが国の経済を活性化するというのであれば、なぜその一年後に企業の破綻が相次いだのだろうか?(1965年山一證券取り付け騒ぎ
・今この国に必要なことは、オリンピックや万博のような一時しのぎの取り組みを推進することではなく、紙幣を大量に刷って円の価値を下げることでもない。競争力のあるビジネスを育てることだ。
・政府と中央銀行は、国民には犠牲を強いるが、自分自身は積極的にリスクを負おうとしないものだ。
・母国の衰退にともない、チャレンジ精神旺盛な若い世代が国外へ飛び立っていく事は、歴史上何度も繰り返されてきた。
・通貨価値の低下は長期的には好ましいことではないが、一方で、円安傾向は日本再興の起爆剤になる可能性も秘めている。この状況を嘆くのではなくチャンスと捉え、私の大好きな日本が世界から「捨てられる日本」にならないよう、歯止めをかけてほしいと切に願う。