かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

投資信託の売り注文 金額指定と口数、端数処理

昨年末にリバランスと損益通算をかねて野村證券の特定口座で保有しているSMTグローバル株式インデックス・オープン(以下「SMTグローバル株式」と言う。)を一部売りました。金額指定をして確認ボタンを押したところ、あれっ?と思うことがありました。次の画面はその時のものではありませんが、同じ状況が展開されるので例として説明します。

野村證券ー金額指定は口数指定に変換される


SMTグローバル株式の場合、売り注文を押すと、金額、口数、全数の三通りが選択できます。

営業日の15時までなら当日が「申込日」となりますが、15時を過ぎた場合と、休業日に売り注文を出すと翌営業日が「申込日」となります。2024/01/21(日)に売り注文を出したので申込日は2024/01/22(月)となります。

参考基準価額:売り注文を出した前営業日の基準価額が示されます。

売却方法:投資信託は運用会社への解約請求となるので売却取引であっても「解約。」受益権を販売会社に買い取ってもらう場合は「買取」となりますが、個人の税法上の取扱いに違いはなく、どちらも譲渡所得となります。

約定日:SMTグローバル株式は海外資産を投資対象とする投資信託ですので、申込日の翌営業日が約定日となります。2024/01/23(火)となっています。約定日の基準価額により売却額が決定されますので、売り注文を出した前営業日の基準価額は「概算」にすぎません。

売り注文での円未満端数処理

さて問題は、概算受渡金額までの計算です。
まず参考基準価額が37,877円なのに概算基準価額が37,859円と18円差額があります。これはSMTグローバル株式が信託財産留保額を0.05%と定めているため、
37,859円×0.0005=18.9295 18円引いた基準価額で売却収入金額を計算することになっているからです。野村證券では端数切捨てのようです。
次に概算受渡金額です。10,000円分と金額指定して売り注文を出したはずなのに11,248円になっていますね。
基準価額はほとんどの場合「1万口当たりの価額」です。目論見書の手続手数料等のお申し込みメモのところに、
(基準価額は1万口当たりで表示しています。)
などと表示されています。
37,859円(一万口当たり)÷10,000×2,971口=11,247.9089 と計算され円未満の端数は四捨五入又は切り上げにより11,248円と計算されています。
37,859円(一万口当たり)÷10,000×2,641口=9,998.5619
でもよさそうに思いますが、オンライン取引の手数料が約定代金×1.10%税込と設定されているので、実際には手数料がかからない取引でも引き去った後が指定金額になるように設定されているのか、又は、約定日に確定する基準価額の変動を見込んで11%増しに概算計算をしているのか、その両方かわかりませんが、そのような趣旨と推察します。

9,900円の場合
10,000円の場合
10,100円の場合

金額指定を9,900円とすると
37,859円÷10,000×2,941口=11,134.3319 → 11,135円
金額指定を10,100円とすると
37,859円÷10,000×3,001口=11,361.4859 → 11,361円
なので切り上げなのか四捨五入なのか一貫性のない端数計算になってしまいました。

売り注文では、
信託財産留保額、概算約定金額、概算受渡金額の所で一円未満の端数処理が出て来ます。野村證券ではおそらく投資家有利な端数計算のような?気がしますが断言できません。
金額指定できそうに見えて口数指定に変換されてしまうので、厳密に〇〇円丁度の売却金額にしたい、というやり方はできません。
できるのは口数指定を選択し、概算基準価額に基づいて、自分の希望金額に近い物を指定できるだけで、約定日の基準価額は多かれ少なかれ動いてしまうでしょうから、思っている金額より多くなったり少なくなったりします。

その場合、基準価額が動くのは当然として、口数が
(概算基準価額―その0.05%)×概算口数≒(基準価額―その0.05%)×口数
に受渡金額が近くなるのかどうか、結局口数指定売却を選び直してしまったため確認できておりません。

楽天証券の場合ーよくわからない

楽天証券ではどうなのか、と思って実験しようと思ったのですが、

で確認ボタンを押すと

?を押すと

と言われてしまい、ここから先は注文の確定ボタンしかなく、どのような端数計算と内訳口数になるのかわからずじまいでした。

買い注文での端数処理

投信の一部売却では一口未満の端数を作るわけにいかないので、各社それぞれの工夫があるのでしょう。
反対に買い注文では投入金額が最初に固定され、口数で調整されますが、口数の端数をどうするのか、各社それぞれ違いがあるようです。

参考にしたブログ

https://teiiyone.com/blog/2014/02/post_172.html
https://shintaro-money.com/100yen-broken-number/

口数端数を切り上げてくれるなら、毎日積立で投入金額は同じでも口数が多くなるからオトクなんじゃね?という考えもありますが、
楽天証券では

クレジットカード積立 月一回指定日
楽天キャッシュ積立 1~28日のいずれか月一回

毎日積立は証券口座引き落ちでしか設定できませんので、やらないです。

おまけ 個別銘柄複数回取得

総平均法に準ずる方法で平均単価を計算することになっていますが、
例えばある日に1株100円、別の日に同一銘柄1株101円で取得すると平均単価に円未満の端数がでます。
その場合は、国税庁が取扱い通達を出しておりまして、

37の10・37の11共-14 所得税法令第105条第1項の規定により計算された1単位当たりの取得価額又は所得税法令第118条第1項《譲渡所得の基因となる有価証券の取得費等》の規定により計算された1単位当たりの金額に1円未満の端数(公社債は額面100円当たりの価額とした場合の小数点以下2位未満の端数)があるときは、原則として、その端数を切り上げるものとする。(平27課資3-4、課個2-19、課法10-5、課審7-13追加)

端数は切り上げることになっています。結果的に複数回の取得に要した費用の合計額が、特定口座において記帳されている取得価額と不一致となることがあります。