かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

退職世代の資産取崩


Twitterのtimelineに資産の取り崩しに関する議論のご紹介がありました。
https://www.finwell.co.jp/wp-content/uploads/2024/02/3e7f60b30c9ff9aacfa6167ea298d003.pdf
A4図表入りで11ページほどなので通読をお薦めしますが、私が強く興味を引かれた箇所を一部紹介します。

・取崩しというと聞こえが悪いので「資産活用」としてはどうか。
→活用だと運用にイメージが寄せられると感じました。実際は運用しながら徐々に取り崩して消費することなので「運用資産使用」「資産利活用」「資産利用」なかなかよい言葉が思い浮かびませんね。撤退戦が下手なのは万国共通かな。いっそ「取崩し」のままで危機感を共有したほうがよいかも。

・資産の安全vs積極運用を横軸に、生活費の節制vs積極支出を縦軸に方針を考える。
→これは資産運用前に価値観として描き出して、それから個々人の現実所有資産を対応して修正していくという考え方としてよい骨組みだと思います。

・現場のアドバイスの中では、バッファー資産から先に取り崩す提案も多い。
→ここ気になりますね。バッファ―資産だから余裕資金なのか退職金一時金の現金なのか預貯金なのか分かりませんが、もしかして今の60代以上は資産運用が終わっている段階だから、これからでも少しでも運用して増やさないと平均余命まで持たないからしかたなくこんな助言になっているとかですかね。

投資信託協会のアンケート調査結果では、定率引き出しをしている人の比率は1%台と、ほとんど使われていない。
→そうだろうなと思います。定率って数的把握が難しいし変動するから。定額なら「年金からこれだけ、運用資産取崩からこれだけ」とするとわかりやすい。

・過去10年ほど、60代の株式・投資信託保有割合にあまり変 化がないことがわかっており、「若年層に影響を与えているNISA、つみたてNISA、iDeCoなどの創設・拡充も、60代には限定的
→これも重要な指摘ですね。年金2000万円不足問題は完全に誤解されちゃったし、NISAのおかげで金融リテラシーに関心が向いてきたといっても50代以下中心です。あ、関心が“向いてきた”だけで“金融リテラシーが上がった”とはひとつも言ってませんので念のため。翻って私にもまだまだ発信する義務があるとも言う。

・将来の自分の年金受給額の議論は、いつのまにか年金財政の議論になるのが年金問題の特徴。
→言われてみればそう。不思議だ。

・海外では、退職直前の年収(一般的にはこれが最も高い年収)を分母に、受給額の比率をみるGPRR (Gross pension replacement rates)が主流で、OECDのPension at Glance 2021では、日本のGPRRは平均所得層で 32.4%とOECD38か国の平均値42.2%より10ポイントも低い水準になっている。日本の所得代替率が、年金財政の議論で使 われるのに対して、GPRRは個人の年金受給水準の議論に使われる。
→このあたりから後編にかけて色んな知恵の紹介があって、これは読んでおくべきです。米国の終身年金制度、退職所得保障国債認知症と後見制度の問題と現状と改善策、家族信託、iDeCoを有価証券で引き出しできるようにするなんてのは現状難しいですけど策としてはなかなかです。
とても考えさせられる記事でした。ありがとうございました。