今回は、S&P500指数連動型で考えてみます。
コード | 銘柄 | 経費率 |
VOO | バンガード・S&P500 ETF | 0.03% |
IVV | iシェアーズ・コア S&P 500 ETF | 0.03% |
2558 | MAXIS米国株式(S&P500) | 0.0858% |
SPY | SPDR S&P500 ETF | 0.09% |
投信 | SBI・バンガード・S&P500 | 0.0938% |
1557 | SPDR® S&P500® ETF(外国籍) | 0.0945% |
投信 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0968% |
2633 | NEXTFUNDS S&P500(為替ヘッジなし) | 0.077%※ |
※コード欄:アルファベット表記は米国ETF、数字は国内ETF、投信は投資信託。
※経費率欄:米国ETFは管理報酬、国内ETFと投資信託は信託報酬率。
※2022.3.31からは0.099%
※別途、買付手数料がかかるものもあります。
VOOとIVVが突出して低いですが、それ以外はあまり変わりませんね。ただし
・米国ETFの実経費の構成要素は管理報酬だけと考えていいのか。
・国内ETFと投信の実経費率を試算してみたら0.16~0.17位になった。
若干の疑問が残ります。ただ事前に確実に要する費用は上の表のとおりなので、実コストもだいたいこの順番だとして話を進めます。
米国ETFが向いている方
・外国税額控除を確定申告することが面倒ではない。又は、どうせ無分配型投資信託なら外国税額は費用処理されてしまうので、外国税額を費用と考えて捨て置ける。
・外貨建て資産を保有することに抵抗がなく、大体四半期に分配されるドルの再投資も厭わない。換金時に円転して為替スプレッドを支払うのも納得。
・自分が死んだときに外貨建て資産があっても構わない。
・外貨建てで為替変動があろうが、とにかく低コスト最優先。
近年米国ETFは非常に買いやすくなりました。円から直接買い付け注文もできます。証券会社によっては買付手数料がかからないものもあります。
また、外国株式に投資する国内ETFや投資信託は、為替ヘッジなしであれば、純資産総額に含まれる外貨建て資産を都度円換算しているだけなので為替変動の影響を受けるという点では同じです。
ただし、米国ETFでは、所有口数が多くないと、ドルで受け取った分配金が、再投資できる単価分貯まるのを待つか、一旦円転してから円貨で注文をだすかしないといけません。
その点、国内ETFも再投資にあたって同様の単価問題があります。
コード | 買付単価 |
2558 | 13,260円 |
2633 | 21,320円(10口) |
1557 | 46,200円 |
※2021.6.4現在
国内ETFは順調に分配金を出しているようです。ただ、2633は3月及び9月の年2回分配で、初回分配予定が2021.9.10。まだ実績がありません。また国内ETFの目論見書を読むと「分配を行わないこともあります」と書いてありますから、そうすると外国税額控除がされない可能性も少しだけあります。
またETFは基本利益を全部分配金に回すので複利効果を求めるには、分配金を自分で再投資していかないといけません。
投資信託は、ほとんど分配をしないので、或いは再投資型を選択すれば分配後自動で再投資してくれるので、ほったらかせるメリットは大きいです。分配を行わない場合に外国税額控除がないのは国内ETFと同じ。
100万円投資持分があるとすると、毎年
1,000,000円×0.03%=300円
1,000,000円×0.17%=1,700円(実経費率を想定)
出ていく。
最後は、手間と金額の差を考えて行動することになるのではないでしょうか。
(おまけ)
ご参考までに、2558ETFについて、第2期の損益計算書から、総経費率を独自計算してみました。独自計算なのでこれで合理的に算出できているかどうかわかりませんが。
0.0858%が信託報酬だから期間を一年間に直して、計算元純資産額を推計して、次に支払利息+その他費用を一年間に直してから、計算元純資産額で割って、経費率年率を求めるやりかたです。
(521,959+1,513,638)×365日÷183日÷0.000858=4,732,016,922.05
(707+1,999,635)×365日÷183日÷4,732,016,922.05=0.00084314008 約0.0843%
0.0858%+0.0843%=0.1701%
割合だけ分かればいいので、計算は
(521,959+1,513,638)÷0.000858=2,372,490
(707+1,999,635)÷2,372,490=0.000843
でいいですね。
国内ETFと投資信託(0.163%)*1はほぼ同水準と出ました。