前編に引き続きまして、SOMPO0123の構成を、類似する低コスト先進国株式インデックスファンドと並べて比較していきます。
該当するファンドは5つありますが、そのうち次の2つは除きます。
・野村 スリーゼロ先進国株式投信
除外理由:つみたてNISA専用ファンドであり、販売会社は野村證券とLINE証券のみのため。
・SBI・先進国株式インデックス・ファンド 『愛称:雪だるま(先進国株式)』
除外理由:米国籍ETFである、シュワブ U.S. ブロード マーケット ETFを 65%、SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国) ETFを35%買付てFTSE指数をベンチマークとするようにしたFOF(ファンド・オブ・ファンズ)で、マザーファンドが直接個別銘柄を保有するファミリーファンド形式を取らないため。
野村スリーゼロは2030.12.31まで信託報酬率0%、SBI雪だるま先進国株式は信託報酬率0.0682%と非常に低廉ですが、構成が違い過ぎるので、SOMPO0123の性格を浮き彫りにするには不適当ということで除外します。
※不定期に行うファンドの観察では取り扱います。参考↓
otosak.hatenablog.com
残りの3つは、
・eMAXIS Slim先進国株式インデックス
・たわらノーロード先進国株式
・ニッセイ外国株式インデックスファンド
です。
これをSOMPO0123先進国株式と比較してまいります。
以下Slim、たわら、ニッセイ、SOMPOと略称で表示させていただきます。
Slim | たわら | ニッセイ | SOMPO | |
設定日 | 2017.2.27 | 2015.12.18 | 2013.12.10 | 2021.12.21 |
指数 | MSCIコクサイ配当込 | → | → | なし |
日本除く | 日本除く | 日本除く | 日本除く | |
為替ヘッジ | なし | なし | なし | なし |
形式 | ファミリーファンド | → | → | → |
購入時手数料 | なし | なし | なし | なし |
換金時手数料 | - | なし | なし | なし |
信託財産留保額 | なし | なし | なし | なし |
設定日はそれぞれ違いますが、3つがMSCIコクサイ指数をベンチマークとするインデックスファンドであるのに対して、SOMPOは独自に選択した123銘柄で構成されるアクティブファンドとなります。
それ以外はほぼ同じような契約条件ですね。
次に信託報酬率など、数字の部分を見ていきましょう。
Slim | たわら | ニッセイ | SOMPO | |
信託報酬率(計 | 0.10230% | 0.10989% | 0.1023% | 0.0770% |
委託会社 | 0.04015% | 0.03289% | 0.038225% | 0.0330% |
販売会社 | 0.04015% | 0.05500% | 0.042075% | 0.0242% |
受託会社 | 0.02200% | 0.02200% | 0.02200% | 0.0198% |
SOMPOは信託報酬率の合計も低率で他の7割。販売会社の取り分が少な目なのが目立ちます。
Slim | たわら | ニッセイ | SOMPO | |
決算 | 2021.4.25 | 2021.10.12 | 2021.11.20 | 2022.12.21 |
実経費率 | 0.1473% | 0.1799% | 0.1583% | - |
基準価額2/10 | 19,484 | 21,009 | 25,766 | 10,229 |
純資産総額 | 3016.12億円 | 1722.06億円 | 3722.67億円 | 6.71億円 |
繰上償還 | 10億口 | 10億口 | 30億口 | 100億口 |
償還基準 | 19.484億円 | 21.009億円 | 77.298億円 | 102.29億円 |
SOMPOはまだ一期目の決算を迎えていませんので実経費率は出ていません。2月10日の基準価額に繰上償還条件の口数を掛けて、純資産総額を算出します。この算出額を連続して下回るようだと、繰上償還の可能性が高いといっていいでしょう。
他の3つは安泰。SOMPOは出来たばかりですのでこれからというところでしょうか。もっとも繰り上げ償還条件の口数を10億口でなく100億口としているのが目立ちます。
資金集めに自信があるのか、集まらなかったらすぐ償還する気なのかわかりませんが、請求目論見書を読んでも、最低でもここまでの期間は継続するとの文言はありませんでしたのでスタートしたばかりではありますが、去就が気になります。
Slim | たわら | ニッセイ | SOMPO | |
最新月報 | 2022.1.31 | 2022.1.31 | 2022.1.31 | 2022.1.31 |
銘柄数 | 1285 | 1284 | 1282 | 123 |
上 | アップル5.1% | アップル5.06% | アップル5.2% | アップル5.6% |
位 | マイクロソフト4.0% | マイクロソフト3.96% | マイクロソフト4.0% | マイクロソフト4.5% |
10 | アマゾン・ドット・コム2.4% | アマゾン・ドット・コム2.36% | アマゾン・ドット・コム2.4% | アルファベット(A)3.6% |
銘 | アルファベット(A)1.5% | アルファベット(A)1.44% | アルファベット(A)1.5% | アマゾン・ドット・コム2.8% |
柄 | アルファベット(C)1.4% | アルファベット(C)1.38% | アルファベット(C)1.4% | メタ・プラットフォームズ1.9% |
メタ・プラットフォームズ1.3% | メタ・プラットフォームズ1.29% | メタ・プラットフォームズ1.3% | エヌヴィディア1.8% | |
テスラ1.3% | テスラ1.28% | テスラ1.3% | ASML HOLDING NV1.3% | |
エヌヴィディア1.0% | エヌヴィディア1.03% | エヌヴィディア1.1% | ウォルトディズニー1.3% | |
ジョンソン&ジョンソン0.8% | ジョンソン&ジョンソン0.81% | ジョンソン&ジョンソン0.8% | エンブリッジ1.3% | |
ユナイテッドヘルス・グループ0.8% | ユナイテッドヘルス・グループ0.79% | ユナイテッドヘルス・グループ0.8% | LVMHモエヘネシールイヴィトン1.3% |
SOMPOはどんな銘柄を123選んだのか一番気になりましたが、MSCIコクサイの大手どころとあまり変わりはありません。AERAdot.の記事でもありましたが、テスラを選択していないのが目立つところです。
Slim | たわら | ニッセイ | SOMPO | |
マザーファンドの国別構成比率 | アメリカ72.2% | アメリカ70.57% | アメリカ73.2% | アメリカ74.4% |
イギリス4.6% | イギリス4.47% | イギリス4.5% | フランス4.8% | |
カナダ3.6% | カナダ3.69% | カナダ3.6% | イギリス4.5% | |
フランス3.4% | スイス3.33% | フランス3.5% | ドイツ4.1% | |
スイス3.0% | フランス3.26% | スイス3.0% | オーストラリア2.4% | |
ドイツ2.6% | ドイツ2.65% | ドイツ2.7% | その他7.3% | |
オーストラリア1.9% | オーストラリア1.96% | オーストラリア2.0% | ||
オランダ1.3% | オランダ1.88% | オランダ1.5% | ||
スウェーデン1.1% | アイルランド1.83% | スウェーデン1.1% | ||
香港0.8% | スウェーデン1.03% | その他4.8% |
ほかの3つは9位又は10位まで個別の国名がわかりますが、SOMPOは6位以下がその他でまとめられていました。米国の比率がやや高いようです。
こうしてみると、テスラ除外はもう少し理由が知りたいですが、それ以外の銘柄や国別構成を見る限り、時価総額比率の高い会社を選んでいるのでMSCIとそれほど乖離しているわけでもなさそうです。
今のところ販売会社は
・株式会社SBI証券 ・auカブコム証券株式会社 ・松井証券株式会社 ・PayPay銀行株式会社
の4社のみですが、銘柄を絞った効果が、実経費率や騰落率にどのような影響を及ぼすのか大変興味深いです。https://www.sompo-am.co.jp/fund/7058/sales.html
最新月次レポートでは銘柄なども概略しかわかりませんので、運用報告書を見てみたいものです。
指数のうち時価総額の大きいものだけで足切りするという自前アクティブファンドは、インデックスファンドの派生形として効率追求するという立ち位置をとるのであれば、私もそのようなファンドの登場を望んでいたところなので、是非とも頑張って資金が集まってほしい。
私は第一期決算期が到来して、その中身と、純資産総額の積み上がり具合を見てから、購入するかどうか考えます。