かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

退職時に本当の辞める理由を話してもよいか

勝手にお題をいただいて、自身の過去の経緯を踏まえてお話します。
「辞めるんだ」ということが知れ渡ると、信頼している直属の上司や仲の良い同僚先輩などに「どうして」って理由を聞かれるでしょう。パワハラの上司やいやな同僚先輩に本音を話すことはあり得ませんが、信頼している人、仲の良い人にはつい打ち明けてしまいそうですね。

この写真は、本文とは関係ありません

本当の理由を話すことはやめておいたほうがよい。これが私の意見です。

辞めることにした本当の理由、退職の背を押したきっかけというのは、
1.一つ大きな辞めたいという原因があった
2.仕事を続けたくないなと思わせる要因が複数重なって辞めることにした
こんな二区分かと想像いたします。

一つ大きな原因と言うのは、職場仲間からの意地悪、執拗ないやがらせや仲間外れ、上司のパワハラやマイクロマネジメントが思い当たります。これは直接原因となった者に言うわけありませんが、仲の良い同僚先輩上司にぽろっと言ってしまいそうです。
もちろん改善を求める段階でしかるべき筋に強く訴えることは必要で、これはもう既に辞める前の段階で発動しているはず。それにも拘わらず辞めるという決断に至ったということは。もうお分かりですよね。いくら仲が良くても力になってくれなかった、又は力になりきれなかった人たちです。その人たち本人は痛くなかったので残って仕事を続けていくのです。
その会社を離れてしまえばもう関係ない人たち。そんな人たちに本音を漏らしてももう遅いばかりか、何かの瞬間にその人たちからパワハラ上司へ伝わらないとも限りません。
もう関係ないと思っていても、同じ業界で再就職したり、個人事業を始めたりすれば、「共通の知人」というのが出現する可能性は高い。また、久しぶりに久闊を温めてうわさ話に花が咲くということだってあるかもしれません。
社会は広いようで、自分が生息している社会は、広い世界に浮かんでいるシャボン玉の中のよう。意外に狭いものです。
最後っ屁のように本音をまき散らしたからと言って、その毒を拾って噂話の種にする人がいないとも限りません。そして自分の本音が他の人の共感を得られる保証はありません。いくら仲が良くても。価値観が違えば、聞いた他人が悪気がなくても、あなたの見解を面白おかしく、又はせいぜい好意的に考えても真面目に客観的にでも論評して開陳しないという保証はありません。
一旦は自分から切り離した社会に生きる人々のすることです。自分の価値観を理解してもらおうと思う必要はないし、必ずしも理解してもらえないということを前提に、あらぬ評判を立てられぬよう保険をかけておくことが得策です。狭い社会、どこでどう出会うかわかりませんからね。
往々にしてこういう話は、きっかけを得て本音が噴き出す形でまき散らし勝ちですし、それを喜んで、つまり不幸ネタをワイドショー的に受け取られがちな面があります。事態が生々しければ客観的に他人に向けて言葉にすることも難しい。
ということで、当たり障りのない、曖昧な理由だけ伝えるのがよろしいかと思った次第です。

二つ目、複合原因については、自分の経験からお話します。
私が辞めた理由は、複数の理由が重なって決断した、と自分では思っています。
一番のきっかけになったこと、というのはあります。複数原因でも大小ありますね。
辞めた瞬間も今も、これが一番の原因だ、と思っていることはありますが、本当にそうかどうか確信はないです。
・前の支店勤務時代から、有望な若手を抜擢しないスピード感のなさに呆れていた。結果彼らはみんな辞めていった。
・業務に関する知識を得ようとしても、勤務時間にしか使えないサーバーのあちこちに点在していて、基本根本のマニュアルもない。人に聞いても曖昧である。
・その上日常処理に追われて学んでいる時間も取れないのに、知識がある前提ですべてが迫ってくる。
・それを何とかしようとする情熱もない。
・上層部が不祥事続きで交代
・それなのに組織の末端には厳しいコンプライアンスばかり要求される。
・意味のなさそうな報告義務ばかりどんどん増やす本社
・仕事の下流側に超強烈で有名な課長がいて毎月のように非難を浴びせられる
・そんな中、客とのトラブルが発生。知識不足などが原因で不信感をいだかれて炎上。
・また部署内コミュニケーションエラーが原因で、他部署に謝ってまわる事態発生。
・事態収拾に必死で取り組んで、なんとか期日までに間に合わせる。
というところまで行きついて、「もういいや」となったのでした。
詳しくは「退職への道」をご覧ください。
退職への道1 - かけこみリタイヤ―のダイヤリー

わたくし語り失礼しました。
こんなの言えるわけないですし、短時間でまくしたてたって理解されるとは思えません。
直属の上司には、現状維持に対する不満めいたことを、自分の至らなさという形で言葉にしましたが伝わっているとは思えませんでした。彼自身が深刻にとらえていない限り話を聞いて終わりレベルでしょう。
同僚や部下たちには、直接理由を話したわけではありませんが、「続けていく意欲がすっかりなくなって、もういいと思っている、途中で抜けてごめんね」的話をしました。トラブルの収拾に黙って協力してくれていたから(原因となった奴もいたけど)なんとなーく伝わっていたかなと思います。

こうして文にして振り返ってみますと、自分では一番の原因かと思っていることが、はたから見たらそうみえないかもしれないし、やっぱり複合要因で何かのきっかけで行動になった。だから辞めるという行動を主なきっかけはこれ、って人に話しても微妙に違う形にしか出せないし、伝わらないのかなと思いました。
仮に伝わったとして、それが残る人たちの役に立つわけじゃないし、自分に対する印象を美しい物として飛び立とうなんてのは都合のいい欲でしかないし、後で検証のしようもない。
だったら世間一般通りやすい理由を伝えるのが無難であると思った次第です。