かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

外国為替どっちがどっち

知識を頭に入れるにはで肺動脈と肺静脈、どっちがどっち、という話をして思い出したことが二つあります。
一つは、1973年2月14日に円が変動相場制に移行したときの話です。
1949年2月に始まったドッジドッジラインで1ドル=360円で固定されていたものが、ドル金兌換停止のニクソンショックを経て1971年12月スミソニアン協定により1ドル=308円にドルが切り下げられ、1973年2月再度のドル切り下げにより固定相場制が崩壊したのです。
この時私は小学生でしたが、大人たちがしきりに話題にしていて、「1ドル308円が1ドル260円になったら何で円高なの?308円から260円に減っているじゃない」と。私も同じ疑問を感じていたのですが、外為なんて普通の大人にも馴染みがないので、この程度の認識だったのです。

ドル円交換レート 状況 説明
1ドル100円 1ドルの物を買うのに100円必要 ここをスタート地点とします
1ドル150円 1ドルの物を買うのに150円必要になった 50円も余計に必要なのか、円が安くなった=円安
1ドル80円 1ドルの物を買うのに80円でよくなった 20円別のことに使えるぞ、円の価値がドルに対して高くなった⇒円高

今からすると笑い話みたいですが、どっちがどっちか、結構迷っていた時期は長かったです。
もう一つは、勤めていた時に遭遇したTTBとTTSです。
日本語にすると、電信買い相場(telegraphic transfer buying)と電信売り相場(telegraohic transfer selling)です。これもいったい、銀行に円を持ち込んでドルに換える、ドルを持ち込んで円に換える、どっちがどっち
これを覚える時に私が考えたこと。
銀行はえらそう
これですね。その昔外国為替は特定銀行の独占業務でした。銀行はドルを売ってやる、ドルを円に換えてやってやる、という殿様商売。だからTTB、TTSという用語も銀行が主人公、主語。TTBは「銀行が」ドルを買って円を渡してやる、TTSは「銀行が」円を貰ってドルを渡してやる、銀行が主役。
買値と売値の差(スプレッドといいます)が2円であるとします。TTBが103円の場合、TTSは105円になります。
これを逆にしてしまうとどんなことが起こるでしょうか。TTSが103円でTTBが105円だとしてみましょう。
会社は銀行へ行き、103円払って1ドル受け取ります。受け取ったら直ちにその1ドルを銀行へ持ち込みます。すると105円貰えることになります。103円⇒1ドル、1ドル⇒105円になる。これを繰り返すだけでどんどん手持ちの円貨が増えます。そんな錬金術はないですね。
じゃあ、正常な状態、TTB103円<TTS105円だとどうでしょうか。
会社は銀行へ行き、105円払って1ドルを手に入れます。手に入れた1ドルを銀行へ持ち込んで103円を手にします。両替をする度に、銀行は1ドルあたり2円手数料が儲かりますね。
以前はどこもこのスプレッドが2円でした。最近は銀行によっても売り買いする外貨建て金融商品によっても、このスプレッドがバラバラになってきました。スプレッドは狭ければ狭いほど銀行の儲けは減ります。反対に顧客は銀行に支払う手数料が少なくて済みます。外貨と円の交換が必要な金融商品を売買するときには、このスプレッドにもきちんと目を配ることが大切だということです。余談でした。

今回はどっちがどっち、自分なりに工夫して理解することができたというお話でした。