投票しておいてなんですが、ETFってそんないいものだろうか、というのが最近の疑問。
種類 | 銘柄 | 信託報酬率 | 実経費率 | 一年騰落率 |
ETF | MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 0.0858% | 0.1479% | 0.3565 |
投信 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144% | 0.1754% | 0.3588 |
ベンチマークはMSCIで一緒、一年騰落率ほぼ一緒のオール・カントリーETFと投資信託の二つで考えてみます。
ETFは投信より実経費率*1が0.0275%安いです。百万円当たり275円の差です。
実経費で1479円と1754円。
ETFは単位株で指値や成り行き注文で売買が成立すれば即取得。2021.11.5終値が14,160円ですからこの整数倍の資金が必要です。証券会社によっては売買委託手数料も。
ETFは売る時も指値や成り行き注文で売買成立すれば即確定。ただし信託留保額が0.1%かかりますから14,160円で売れたとすると14円16銭引かれます。百万円あたり1,000円。
ETFは半年決算ごとに分配金を出します。ここで外国税額控除もしてくれます。
投信はネット証券では100円以上1円単位で買い付けが出来ます。定期買付も可能だし、自動化もできる。つみたてNISAやNISA口座でも買付できます。
投信は証券会社により多少違いますが、売却も口数単位や金額単位で可能です。ただし売却単価は注文を出した日の後場終了後に基準価額が計算され、その時点で確定します。
投信のオール・カントリーは信託財産留保額がありません。売却時の引き去り額はありません。
投信のオール・カントリーは2018.10.31の設定来分配したことがありません。目論見書にも「信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する方針とします」と書いてあります。したがって外国株投資で信託財産に配当金が入ってくる際に引かれた外国での源泉所得税について税額控除する機会はありません。単純に引かれた後の入金額が信託財産の収入となるだけです。
シミュレーションしてみます。
・ETF
1口1万円で100万円投資し、ファンドの成長率は半期2%の複利計算、ETFの実経費率0.1479%、半期決算で配当は1口当たり60円、配当には外国税額控除が適用され手取率0.874、三年後に売却し20.315%の譲渡益税と0.1%の信託財産留保額が差し引かれるとします。途中の配当手取と最終売却後手取額の合計を総現金とします。
期末 | 実経費 | 配当 | 配当手取 | 翌期首 | |
第一期 | 1020000 | 1508 | 6000 | 5244 | 1012492 |
第二期 | 1032741 | 1527 | 6196 | 5415 | 1025018 |
第三期 | 1045518 | 1546 | 6273 | 5482 | 1037699 |
第四期 | 1058452 | 1565 | 6350 | 5549 | 1050537 |
第五期 | 1071547 | 1584 | 6429 | 5618 | 1063534 |
第六期 | 1084804 | 1604 | 6508 | 5687 | 1076692 |
売却 | 税額 | 信託留保 | 手取 | ||
1076692 | 15579 | 1076 | 1060037 | ||
総現金 | 1093032 |
・投信
1口1万円で100万円投資し、ファンドの成長率は半期2%の複利計算、投信の実経費率0.1754%、半期決算で分配はなし、したがって外国税額控除もなし、三年後に売却し20.315%の譲渡益税が差し引かれます。信託財産留保額はありません。最終売却後手取額が総現金となります。
期末 | 実経費 | 配当 | 配当手取 | 翌期首 | |
第一期 | 1020000 | 1789 | 0 | 0 | 1018211 |
第二期 | 1038575 | 1821 | 0 | 0 | 1036754 |
第三期 | 1057489 | 1854 | 0 | 0 | 1055635 |
第四期 | 1076747 | 1888 | 0 | 0 | 1074859 |
第五期 | 1096356 | 1923 | 0 | 0 | 1094433 |
第六期 | 1116321 | 1958 | 0 | 0 | 1114363 |
売却 | 税額 | 信託留保 | 手取 | ||
1114363 | 23232 | 0 | 1091131 | ||
総現金 | 1091131 |
ファンドの成長率を半期2%年4%に設定すると、分配時の外国税額控除の効き具合が大きいので、総額手取は若干ETFが大きくなりました。成長率が上がってくれば、複利効果が効いてきて投信が逆転すると思われます。
推計する前は、相場のタイミングを見て売るわけじゃないし、投信で翌日には利益確定するのだから信託財産留保額のあるETFにメリットはないのかと思っていましたが、外国税額控除効果で拮抗してきました。
つみたてNISAやNISAなら分配金を出さない商品が一番ですから投信一択です。
元々ETFは選択できませんけれど。
ETFで年二百万円の配当金を得ようとすると、2,000,000円÷120円=16,667株必要です。
14,160円×16,667株=236,005,720円とちょっと現実的ではありません。
半期ごとにお小遣いが手に入る心理効果をどうみるかでETF選択もありだと思います。