全世界株式投信の不定期観察です。観察対象とする抽出条件・実経費率や騰落率の算出方法はこちらをご覧ください。
今回対象としたのは、指数がMSCIのもの4本、FTSEのもの4本、TOPIX+MSCIのもの2本となりました。それぞれ実経費率の低い順に掲載しました。
種別 | 銘柄 | 信託報酬率 | 決算日 | 実経費率 | 指数 |
2559 | MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 0.0858% | 2021.6.8 | 0.1479% | MSCI |
投信 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.1144% | 2021.4.26 | 0.1754% | MSCI |
投信 | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 0.1144% | 2021.4.26 | 0.1784% | MSCI |
投信 | たわらノーロード 全世界株式 | 0.1320% | 2020.10.12 | 0.2890% | MSCI |
投信 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド雪だるま | 0.0682% | 2020.11.12 | 0.1322% | FTSE |
投信 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド楽天・バンガード | 0.1320% | 2021.7.15 | 0.2400% | FTSE |
投信 | eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 0.1144% | 2021.4.26 | 0.1894% | TOPIX+MSCI |
投信 | ニッセイGDPバスケット | 0.1144% | 2020.11.20 | 0.3158% | TOPIX+MSCI |
ETF2559はこの中で唯一信託財産留保額が0.10%あります。ETFは売買時に基準価額に0.10%を上乗せ・差引するものが結構あるようです。
現時点で日本籍ETFのメリットは、2020.1.1に分配されるものから外国税額が控除されて分配されること。再投資型投資信託や、分配実績のない投資信託に比べて複利効果で劣りますが、私の持っている2559では手取りが0.874%です。米国で10%引かれたのち日本で20.315%引かれると手取りは71.7%になりますから外国税額控除は威力ありますね。
参考記事↓otosak.hatenablog.com
参考記事:日本取引所グループ2021.12.20現在、二重課税調整制度の対象となる可能性の高いETF・REIT
タイトルが微妙ですが、現に2559は外国税額控除されています。注意すべきは1557SPDRが表にないことです。米国籍ETFだからかもしれません。
信託報酬率だけではなく実経費率でも、ETFが有利なようです。投信のオール・カントリー共々低い実経費率ですが、SBI雪だるまも健闘しています。こちらはFOF(ファンド・オブ・ファンズ)で、投資先が米国ETFゆえ、そちらの実経費が引かれてきますが、逆に事務費用を圧縮してトータルの実経費率を下げることに成功しています。
たわらと楽天の実経費率は高めですが、ニッセイGDPは出発直後だからでしょうか、実経費率が0.3%台に乗ってしまいました。
次に単純騰落率と2022.1.5現在の純資産総額、約款上の償還水準を示します。
銘柄 | 一年 | 三年 | 五年 | 純資産総額 | 償還水準 |
MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 0.327 | - | - | 122.26億円 | 14.42億円 |
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | 0.345 | 0.857 | - | 4051.98億円 | 17.19億円 |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | 0.358 | 0.887 | - | 1149.78億円 | 17.33億円 |
たわらノーロード 全世界株式 | 0.344 | - | - | 14.71億円 | 16.05億円 |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド | 0.329 | 0.815 | - | 482.01億円 | 8.14億円 |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.335 | 0.832 | - | 1529.86億円 | 16.81億円 |
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | 0.207 | 0.604 | - | 49.04億円 | 14.51億円 |
ニッセイGDPバスケット | 0.248 | - | - | 8.44億円 | 45.56億円 |
騰落率を見るとSlimの除く日本が健闘しています。ということは日本株が足を引っ張っているのかな。MAXIS上場投信は分配金があるので劣後するのは当たり前。FTSEでは実経費率の差をものともせず、楽天がSBI雪だるまを逆転しています。
参考記事↓otosak.hatenablog.com
たわらノーロード全世界株式は、資金が集まらず、償還水準を割り込んでいます。現時点で2021.10.12期の運用報告書が公表されておりませんので、前回と同じく202.10.12期の運用報告書全体版によれば、先進国マザーファンドが3704億円、新興国マザーファンドが411億円、ありますが、日本株マザーファンドが3億52百万しかありません。期末残高内訳をみると、たわら全世界株式と適格機関投資家限定のMSCIジャパン・インデックス・ファンドの2つだけ。先進国マザーと新興国マザーは確定拠出年金から相乗りがあるからいいですが、これが懸念材料です。
ニッセイGDPバスケットはユニークな商品ですが今のところ資金を集められていません。償還水準を下回っています。
Slim三地域均等とニッセイGDPバスケットは、共にTOPIX+MSCIの合成指数をベンチマークに採用していますが、名前の通り均等配分とGDP比率配分なので騰落率の比較に意味はありませんからご注意を。