かけこみリタイヤ―のダイヤリー

陰キャで隠居!58歳10か月でアーリー?リタイヤしました。

心に刺さった本

ジェシカ・ブルーダー著鈴木素子訳「ノマド漂流する高齢労働者たち」春秋社

「薬もやらない、アル中でもない、ギャンブル依存でもない、まじめに働いていたのに貧困に陥る。それって社会がおかしいのではないか」最近そんな書き込みを見たような気がします。 この本読んでいると悲しくなってきます。 生活を確保するために路上に出ざ…

ジャン・アンリ・ファーブル 平野威馬雄訳「虫と自然を愛するファーブルの言葉」興陽館

ファーブルといえば「昆虫記」ですが、子供の頃に読んだ記憶も憶えてないくらいでしたが、最近、子供用に伝記を借りてきて読んで、その生涯に非常に興味を持ったかたです。これは、昆虫記などの間などに記載された、ちょっとした箴言集を平野さんがまとめら…

森博嗣「アンチ整理術」日本実業出版社

毎日45分しか執筆しないのに年間10冊も本が出る。さぞかし速筆なのだろう、それで仕事術の本を書きませんか、という依頼がたくさん来るそうです。 その効率性で「整理術を」という依頼も来たと。しかし口絵の写真を見ると、めちゃくちゃ散らかっている。整理…

森博嗣「お金の減らし方」SB新書508 SBクリエイティブ株式会社

「僕はお金の増やし方をしらない」冒頭からこれですよ。 大学の助手になって残業手当もつかないのに一日十六時間、土日も大学に入り浸って研究。子供の小学校にはいったことすらない。これだけ見れば立派な昭和のモーレツおやじですね。鉄道模型の線路を庭に…

ロルフ・ドベリ「Think clearly」サンマーク出版

読むの大変かなと思ったのですが、人生が楽になる思考戦略が読み切りで沢山載っているので、中途から読んでもよく、とっつきやすい本です。重要な事柄については、柔軟ではなく頑固に、というのが面白かった。バフェットさんは、会社の売り込みで話を一度し…

アマゾンレビューが炎上、大東京ビンボー生活マニュアル

私の愛蔵本です。本棚を断捨離するため漫画本は全部処分対象ですが、これはボロボロなのでメルカリに出して売れるとも思えず、捨てるしかないのですが、どうしても捨てられません。 今でも売っているのかなーと思ったら、kindle版、中古は文庫版で、コミック…

ヒロユキ氏がずっとフランスにいる理由

勘違いしていました。 ネットの記事、というか発言が面白いのでちょくちょくyahooで取り上げられるものを読んでいるのですが、ずっと「なんでフランスにずっといるんだろう」という理由を、もしかして、カルロス=ゴーン氏と一緒?と勘違いしていました。2ち…

「バビロンの大富豪」再読

再読して思ったこと。 手取収入の十分の一を最初から除いて残りで生活しなさい、とか、しくみのわからない儲け話には投資しないこと、などはもちろん大事なポイントですが、今回はそれらの背後にある古代バビロニアの社会、誰かがお金を渡せば、物や土地を譲…

砂原庸介「新築がお好きですか?」ミネルヴァ書房

持ち家か賃貸か論争、インデックス界隈でも時折話題になります。 持ち家派の人で、住宅借入金等特別控除を知らない人はいないでしょう。 では賃貸住宅の人に公的な家賃補助ってありますか。実は誰でも使えるようなものはないのですね。生活保護費、入居に所…

南部さおり「親の手で病気にされるどもたち」学芸みらい社

怖い本でした。 ミュウヒハウゼン症候群をご存じでしょうか。自分は体の調子が悪いと言って医者にかかる。検査しても何も異常が出ない。本人はあれが痛い、気を失った、血痰が出た、気絶したと言い張る。また検査しても異常が出ない。これ以上やることはあり…

武藤北斗「生きる職場-小さな工場の人を縛らない働き方」イースト・プレス

前回紹介した本とは対極にある会社のお話です。 社員は筆者である工場長ともう一人だけ、残りは全部パートさん。そして、「いつ何時に出勤するか、いつ帰るか自由、連絡はしないこと」「嫌いな作業はやらなくてよい」という会社の実録です。筆者曰く、本当に…

川島徹「メーター検針員テゲテゲ日記」フォレスト出版

おかしゅうて、やがて悲しき、という本でした。 テゲテゲは鹿児島弁で「適当に」という意味だそうです。 雨の日も雪の日も台風の日もメーターを読みとり、端末に入力して請求書をプリントしてポストに入れる。メーターは背の届く高さにあるとは限らない。庭…

平澤正夫「日本の牛乳はなぜまずいのか」草思社

スーパーで売っている紙パックの牛乳がまずい、と思った人にはおすすめです。 ちなみに、私はスーパーで売っている130度2秒間などの高温殺菌牛乳は飲みません。生協の配達品であるパスチャライズド牛乳か、デパートで売っている木次乳業の低温殺菌牛乳を飲ん…

アダム・オルター著上原裕美子訳「僕らはそれに抵抗できない-「依存症ビジネス」のつくられかた」ダイヤモンド社

主としてネットゲーム依存症や行動嗜癖に関する本ですが、アップルウォッチを使うと、顔色が悪いのに「12000歩歩かなくちゃいけないのに、今日はまだ8000歩しか歩いていない」といってあと4000歩歩きに行ってしまう。数字に絡めとられて不快を脱するために行…

チャールズ・エリス「敗者のゲーム」再読

原著第6版の和訳を再読しました。第5章あたりから理解ができない部分が増えてきます。眠くなったところで第15章個人投資家にとっての課題で目が覚めます。そこからは終章までは一気に読めますよ。結構煽っているというか、過激であろうとも言いにくいことを…

原田真知子「「いろんな人がいる」が当たり前の教室に」高文研

誰もが同じクラスになりたくない男の子。特に正論を言う子、おとなしい子、容貌の気に入らない子に対して激しく執拗に攻撃する。給食、掃除当番、委員会などの仕事をまったくしない。お気に入りの子には極端に甘えて見せたりするかと思うと、あっという間に…

三田誠広「天気の好い日は小説を書こう」朝日ソノラマ文庫ほか

ワセダ大学文芸科における「小説創作」講義をテープ起こししたとする三部作の一作目。 前半、近代小説の成り立ちから、文学のジャンル分けまでテンポよく紹介されている。現在そこにある小説の意味が、近代小説発祥の由来をたどってくれることで、頭がすっき…

徳川頼貞「薈庭楽話(わいていがくわ)」中央公論新社

ロンドンにて、ラ・ボエームのミミのアリアをメルバが歌うのを聞く。歌は素晴らしいけど、ミミって病弱で小さい若い女性じゃなかったっけ。目を舞台に向けるとメルバの偉大な体躯と隠せない年齢、うーん。 大西洋航路にて。船酔いで苦しんでいると、隣の船室…

佐藤功「教科書御用達小説の主人公はクズでヘタレばかり」河出書房新社

芥川龍之介「羅生門」 ・羅生門に一匹の蟋蟀(こおろぎ)が止まっていたわけは。 ・門の下で雨宿りしていた下人が途方に暮れていた本当の理由は。 ・なぜ下人の右頬のにきびが描写されているのか。 ・なぜ下人は死人の髪の毛を抜いて鬘を作って売ろうなどと…

中村すえこ「女子少年院の少女たち」さくら舎

私この本で「虞犯(ぐはん)」という言葉を初めて知りました。犯罪を犯すおそれのある者だそうです。犯罪を犯すおそれがあるだけで少年院へ入れられてしまうっていきすぎじゃない、と思いますよね。それは少年院を罰を受け反省する場所だと思うからです。 こ…

池内了「宇宙研究のつれづれにー「慣性」と「摩擦」のはざまで」青土社

戦争と科学者の協力に焦点をあてた本。 みなさん慣性の法則を知っていますか。すべての物体は力を加えない限り、その運動を持続するってやつです。コペルニクスの地動説に反対する人たちが地球がクルクル回っているなら静止している空気は後ろにふっとんで暴…

下地毅「ルポ東尋坊」緑風出版

福井県の東尋坊は、観光名所です。 そして自殺の名所でもある。 東尋坊には「救いの電話」と呼ばれている公衆電はボックスが2台ある。 ここに十円玉と「NGO 月光仮面」という名刺を置き、週に2回のパトロールをしている人たち。パトロールは、“月光仮面”一人…